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「ガープの世界」

Sat.25.07.2009 0 comments
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部屋の隅に転がっていた「ガープの世界」
口から煙を出すおじさんと2つの影の絵が表紙に描かれていて
なんとなく手に取ってみた。
ジョン・アーヴィングという人の著作で、名前はどこかで聞いたことがあった。
普段読まない人の本を、何の前知識もなく読んでみたらどうかな、
というのと、その表紙とタイトルになんとなく魅かれるものがあったので
パラパラとめくってから、借りて読んでみることにした。
とはいえ、わたしが好んで読むのは
もわんとした、微妙な、あやふやな、揺らぎのある、
間、とか、空気感とか、そういうのが感覚的に感じられる、
そういう小説だったりするので、(というこの説明もすごいあやふやだけど)
外国の人の作品は、感覚で読むのはなかなか難しいし、
地名や名前が英語なので、イメージが自分の中でしにくかったりで
なんとなくすんなりは読めずに途中でやめたりしているものが多かったので
ちゃんと読めるかな、というのはあったけれど、
まぁ行けるとこまで行ってみよう、と思って読み始めてみた。

「ガープの世界」とあるだけに、ガープの生まれる前から死んだあとまでを書いたもので、
あとから調べてみると、ジョン・アーヴィングの半自伝的小説、ということだった。

ガープは看護婦であるジェニーとガープ軍曹の間に生まれる。
ジェニーは子供だけが欲しいという理由で、
戦争で重傷を負い言葉もうまく発することのできないガープとの間に子供をつくり、
しばらくしてガープは死んでいく。
ガープが死んだ時、ジェニーは何も感じなかったわけではないが、
自分の体の中に最良のものがあることを感じ、
それが彼が生き続けることの唯一の方法であり、
また自分が子供を持つことができる唯一の方法だった、とのちに語っている。
そして子供に父親と同じ、ガープという名前をつけた。

ジェニーはものすごい読書家で、自分でも自伝的な小説を書き始める。
そしてまたガープも小説家となる。
ガープは結婚して、子供ができる。
そして様々なできごとが、ガープの身に降り掛かる。

「ガープの世界」の中でも、ガープの書く小説の中でも、
暴力的なシーンや、死や、女の人が強姦されたりするシーンが多くて、
読み進めるのがつらいところがあった。
どうして、こんなことばかり起こるんだろう。
そしてそれをどうしてガープは自分の書く小説の中にまで登場させるのだろう。
それらの出来事は何を物語ろうとしているのだろう、と思い
なんとか最後まで読み進めてみたが、その答えはよくわからなかった。

まるで映画や小説のように、この小説の中で起こる出来事は
わたしの現実とはほど遠くかけ離れていた。
次から次へと残酷な出来事が起こり、
ガープの書く小説も多くの人から批判される。
読みながら、いつかガープは壊れてしまうんだろう、
そういう風にこの小説は進んでいくんだろうと思っていたけれど、
ガープは自分を見失わず、大切なものを守り続け、
死んでからも残された人の中で生き続けた。
残酷なことの多い小説だったけれど、全編に流れている空気は、
暗くてじっとりしたものではなかった。
むしろ不思議なくらいカラっとしたものを感じて、
それは、ガープのもともと持っている明るさや
周りの人の温かさからくるものなんじゃないかと思った。

この小説を読み終わって、はぁー、やっと読み終わったぞ!という充足感と、
なにかこう、体の中に残ったものがあったけれど、それが何かはわからずにいた。
なんとかそれをまとめてみよう、と思っていたところ、
夢の中で「物事には、二面性があるのよ。」と誰かが言った。

物事の、ある側面だけをとらえて、こうだからこう!と断言することはできない。
それには表もあれば裏もあって、右も左も、内側も外側も、中間もある。
だからこの小説の中で起こる残酷な出来事を
違う方面から見てみようと思ったけれど、それをわたしは見ることはできなかった。
でも、きっとなにかあるんだろう。わかんないけど。

「読んでよかった」とこの本を薦めてくれた人が言ったそうだが、
わたしも「読んでよかった」と思った。
他のいくつかの印象的な物語を読むとそうなるように、
ふとしたときにガープやその周りの人々のことを思い出すんだろうな。
それから面白かったのが、
小説の中に「脂肪シチュー」というあだなの名前の人がでてきて、
太った金持ちの人なんだけど、
(「彼は大柄な、肥った男で、樽を思わせるそのお腹はいまにも破裂して、
中身がすべてこれ胃であることをみせようとしてるかのようだった。」)
その名前の付け方に、なんとなくジョン・アーヴィングの
ユーモアのセンスみたいなものを感じた。
油が多くて、ぎとぎとした感じ。

昨日、J・アーヴィングが原作の「サイダーハウスルール」の映画を見たけれど、
これもすごく良かった。
同じように、残酷な部分もあるけれど、人間の温かい感じは、この人の持ち味なのかな。
にゃりちゃんの大好きなスパイダーマンのトビー・マグワイアが出てるから、
にゃりちゃんには是非見てもらいたい映画です。

次はなにを読もうかな。
そう思えるのもまた、本の持つ楽しみのひとつであります。

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